
オウンドメディアの価値というのは、掲載されている記事(コンテンツ)の魅力によって左右されます。
しかし記事制作にあたり、魅力的な文章を書くにはどうすればいいのかわからない、という人は少なくありません。
プライベートでBlogを書いていたなど、普段からWEBライティングの習慣がある人であれば自然と書き始めることもできるかもしれませんが、そうでない人にとって0から記事を書くというのは非常にハードルが高いかと思います。
そこで今回は、オウンドメディアの価値を上げるための「人に選ばれる魅力的な記事」の具体的な構成や書き方について説明します。
初心者の方はもちろん、これまで感覚で書いていたという人も、一つ一つの要素を分解し見直すことで欠けている部分が分かるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
目次
記事構成の順番は?
記事を構成する際、基本的なは「テーマ・方向性→タイトル→本文部分→導入部分→まとめ」の順に考えます。
その理由について一つ一つ解説していきましょう。
最初にテーマ・方向性を考えるのは、その記事が「誰に向けて」「何を説明し」「どういった価値を提供するのか」を定めるためです。
これらが定まっていなければ、それは記事ではなくただのあなたの日記になってしまいます。
またここがブレてしまうと、後から考えていくタイトルや本文に統一性が無くなってしまい、何を言いたいのかわからない記事になってしまうので注意しましょう。
次にタイトルを考えます。タイトルは人に読まれるためのアプローチ部分として最も重要な部分なので、ライターによっては最後に考えるという人もいます。
しかしタイトルを考えておくことで、これから書く本文の内容が書きやすくなり、またタイトルと記事内容の乖離を防ぐこともできるというメリットがあります。
導入部分は読者を自然な形で本文に誘導するために必要です。
本文部分→導入部分という順番で考える理由として、先に本文を固めておくことで文章の全体像が把握でき、概要文として分かりやすくまとめた導入部分が書けるからです。
テーマ・方向性を考える
記事のテーマ・方向性を考えることは、前述の通り非常に重要です。
オウンドメディアの方向性になんとなく合っている、自分たちのメディアを読むユーザーはこういうのが好きそう、などの漠然とした理由で方向性を決めてしまうのではなく、しっかりとリサーチをした上で考慮するようにしましょう。
誰に向けて書くのか(ペルソナ)を明確にする
テーマ・方向性を考える上で最も大事なのが、「誰に向けて記事を書くのか」をしっかりと定めることです。
事前に運営するオウンドメディアのターゲット読者(ペルソナ)を把握しておき、そのターゲット読者が知りたがりそうな内容を考えておきましょう。
なお、ターゲット読者の設定は細ければ細かいほど、価値を提供できる可能性が高い記事を作ることができます。
その内容は本当に価値を提供できるのか考える
記事の内容があまりに一般的なことばかりだと、ユーザーが読んだ時に何も得られない恐れがあります。
独自の調査結果や自分たちにしか持っていない情報などを用いオリジナリティ溢れる内容を書いたほうが、ユーザーに価値を提供できるでしょう。
また、様々なキーワードで上位表示を狙おうと記事のカバー範囲を広げすぎるのも問題です。ユーザーが望んでいる情報は、あくまで特定の事柄だけだったり、専門的な意見がほしかったりすることが多いのです。
そのため、「広範囲を浅くカバーする」のではなく、「狭くても専門的で深くまでカバーする」ことを心がけましょう。
タイトルを考える
タイトルは、ユーザーに記事を読まれるようにする上で最も大事な文字列と言っても過言ではありません。しっかりと魅力的なタイトルを考えるようにしましょう。
32文字以下で分かりやすくまとめる
Googleの検索結果上では、ページや記事のタイトルは日本語で32文字までしか表示されません。(2018年6月現在)そのため、32文字以下で端的にその記事のポイントを説明しなければなりません。
具体的な数字やメリットを提示する
タイトルに具体的な数字を書くことは、ユーザーに選ばれる上で重要なポイントです。
例えばユーザーの悩みに対する解決策を説明する記事であれば、以下のようなタイトルが望ましいでしょう。
・タイトル例『~~をたった◯分で解決する簡単な方法!』
・タイトル例『~~な人に知ってほしい、◯個のアイデア』
数字はユーザーがより具体的に解決策をイメージすることができ、読みたいという気持ちを刺激することができます。
また、併せて記事を読むことによるメリットを提示するのも大切です。
・タイトル例『眠れない人必見!気持ち良く眠れるようになる◯個の生活改善ポイント』
これは「読むことによって気持ち良く眠れるようになる」というメリットを提示しています。上記の数字も併せて盛り込み、少しでもクリックされやすいタイトルをつけるようにしましょう。
誰でも簡単にできることをアピールする
加えて、「誰にでも簡単できる」というハードルの低さをアピールすることも大切です。
内容が専門的であればあるほど読者に価値を与えますが、「実践するにはハードルが高そう…」と思われてしまうとそもそも記事を読むことを忌避してしまいます。
・タイトル例『英検3級の私でもTOEICで730点取れた、一日◯分の勉強法』
このように、簡便性とインパクトを併せ持ったタイトルをつけることが重要です。(ただし過度の誇張や嘘を書くのはNGです)
導入部分を考える
時折、導入部分無しでいきなり本文に入る記事を見かけますが、導入部分は記事を読んでもらうためのアプローチをする上でタイトルに次いで大切な部分です。
ユーザーの多くは導入部分の文章をざっくりと読んで、そのまま本文を読むか離脱するかを決定します。せっかく魅力的なタイトルでユーザーを惹きつけたのに、導入部分で見限られてはもったいないので、しっかり書きましょう。
内容としては、タイトルの付け方同様に「読むことによる価値を具体的にイメージできる」「誰でも簡単にできる」という点に注意すべきでしょう。
さらに「その記事のターゲット(悩んでいる人)にありがちな状況を書く」ことで、同意を得られスムーズに本文へと誘導できます。
なお、導入部分の文字数は200文字程度に留めておくことをおすすめします。ユーザーはこれから本文を読むことになるので、冗長な導入で疲れさせてしまわないように注意しましょう。
本文部分を考える
いよいよ本文部分の執筆になります。ここまで順調に記事内容が定まっていれば、0から本文を考えるよりは楽に書き始められるのではないでしょうか。
文章の良し悪しは書くテーマによって大きく左右されるため、ここでは文章の中身よりも、どのテーマにも共通して言えるような表面的な部分について説明します。
見出しは分かりやすく、流し読みでも理解できるように設定する
主にh2タグやh3タグなどで設定される見出しですが、これらは「太字」や「斜体」などのような装飾の一つとして使うものではありません。
本文の概要を説明し、流れを整理し、読みやすくするために存在します。見出しの付け方が上手く行われていない文章は読みづらいだけでなく、タイトルや導入部分同様に本文到達前の離脱の原因にまでなってしまいます。
最近はスマートフォンから記事を読むユーザーも多いのですが、スマートフォンユーザーは記事を流し読みする傾向にあります。
そんな人達にも記事をしっかり読んでもらうためには、「見出しを読むだけでもなんとなく本文の内容を理解することができる」ような見出しを付ける必要があります。
・普通の見出し例『火傷の応急処置』
・良い見出し例『火傷したら、まずは患部を5分程度冷やすことが大切』
ただし長すぎるとぱっと見ただけでは内容が把握しづらいので、30文字以内を目安に抑えましょう。
また特定のキーワードを意識してSEO効果を狙うのであれば、見出しにそのキーワードの言葉を入れるようにしましょう。露骨に入れようとすると読みづらくなってしまう恐れがあるので、自然に盛り込むように気を付けるべきです。
「ですます調」で統一し、漢字を使いすぎない
記事の内容にもよりますが、口調が安定しない記事は読んでいて気持ち悪くなってしまい、内容が頭に入ってこなくなる恐れがあります。
また口調が固すぎても読んでいて疲れますし、逆に砕けすぎているとユーザーによってはフラストレーションが溜まってしまいます。
これら記事内容以外での離脱リスクを防ぐために、文章は「ですます調」で統一するのが安全です。
また他の読んでいて疲れる文章の特徴に、「漢字が多すぎる」「ひらがなが多すぎる」などがあります。特に漢字が多すぎると、用法は間違えていなくとも読みやすさの面で離脱の原因になってしまいます。
書き終えたら見直しを行い、漢字の密度が多すぎて文章が黒々としていないか、またはひらがなが多すぎて空白が目立っていないかをチェックしましょう。
さらに表記揺れや変換にも気を付けましょう。上記の二点に比べると気にする読者はそれほど多くはありませんが、人によってはちぐはぐな印象を与えてしまうかもしれません。
「会う」と「逢う」、「歯医者」と「歯科」などの表記揺れ、「是非」と「ぜひ」、「出来る」と「できる」などの変換統一に注意してください。
適度に改行し、読みやすさを意識する
ユーザーは人間なので、読みやすさを追求することも大切です。特に一文が長すぎると、読む際に抵抗感を覚えてしまいます。
メディアのレイアウトにもよりますが、大体3~4行を1ブロックとして扱い、ブロックとブロックの間は1行空け改行を行うことをおすすめします。
エビデンスを提示し、自信を持って情報を提供する
ユーザーからすれば根拠のない記事は非常に疑わしく、その記事が提供する価値に疑問を抱かざるを得ません。記事を書く際は、しっかりと根拠を提示するようにしましょう。
また、もし根拠が提示できていたとしても、文章の終わりにいちいち「~~だと思います。」「~~という人もいるようです。」という自信不足感や伝聞調を挟むと、説得力に欠け、ユーザーに選ばれない記事となってしまいます。
自信を持って情報を提供する姿勢を大事にしましょう。
まとめを考える
タイトルも本文も書き上げたら、あとはそれらをまとめるだけです。
まとめは読後の印象を左右する要素なので、本文に全力を注ぎすぎて燃え尽き、雑にまとめてしまうことのないようにしましょう。
「ここまで読んでいただき、ありがとうございました。」「~~になることを願っています。」など、記事を読んでくれたユーザーに感謝の意を伝えたり、今後を慮る内容だと綺麗に締まります。
校閲・コピーチェックを忘れずに行う
書き終えたら、記事内容や誤字脱字、タイトルと本文との乖離がないかなどをチェックしましょう。
誤字脱字などの表面的な部分の修正は書き終えたあとすぐにでも可能ですが、記事内容自体のブラッシュアップは一晩明けてから行うのがベターです。
執筆後はその達成感から、客観的な目線で文章を見ることができない恐れがあるからです。
そして忘れてはいけないのが、文章のコピーチェックです。特に記事の執筆者があなたではなく社外ライターなどの場合、極稀にモラルの欠如から他サイトの記事を丸々コピーしているケースがあります。
様々なツールを使い、Googleに盗作扱いされないように丁寧に確認しましょう。
まとめ
ライティングは、ノウハウがなければ大きな負担となる作業です。またあなたの持つ知識をユーザーに最大限伝えるには、魅力的な文章を書くライティングスキルを培わなければなりません。
ライティングスキルは書き続けることで培われるものですが、押さえるべきポイントを知ることで初心者の方でも最初からそれなりの記事を書くことは可能です。
当コラムで紹介した内容を参考にしていただくことで、ライティングに対する負担が少しでも減り、魅力的な記事が書けるようになることを祈っています。