
WEB集客をするにあたり、根底にあるのは自社のサービスや商品について多くのユーザーに知ってもらうこと、つまり、サイトやブログを多くのユーザーに見てもらうことがWEB集客の第一歩なのです。
そのために、SEOでGoogleに最適化を図り上位表示させ、より多くのユーザーの目につくような環境をつくることで集客につながるというのが一般的な考え方です。
目次
SEOとGoogle検索アルゴリズムの関係
これまでのSEOといえば、「このキーワードで上位表示させたい」という対策キーワードをコンテンツ内に適切に組み込むことや、他サイトや他ページからリンクを張ってもらう「被リンク」の数を増やすといった方法で対策を行ってきました。
特に被リンクの効果は絶大と言われ、サイトの内容の良し悪しにかかわらず、上位表示させることが可能となっていたのです。
しかし、被リンクを業者から大量に購入し、質の悪いコンテンツが上位に表示されるようになってしまい、本当にユーザーのためになるようなコンテンツが埋もれてしまうなどの問題が発生したのです。
そこでGoogleは、本当にユーザーのためになるようなコンテンツのみを上位に表示させるために、「ペンギンアップデート」や「パンダアップデート」と呼ばれる大型アップデートをはじめ、細かいアップデートを繰り返し、良質なコンテンツは上位に、悪質なコンテンツはペナルティの対象にするといったシステムを作り上げて来ました。
Googleは、創業当時から10の事実という独自の理念を掲げており、その中に、ユーザーの利便性を第一に考えるとの表記があります。
つまり、Googleはユーザーに役立つような、満足度の高いコンテンツであることを最も重要視するということなのです。また、サイトの評価には、アルゴリズムと呼ばれる200以上の判断基準を設けており、アルゴリズムに従いサイトの順位が決定されています。
このアルゴリズムは頻繁にアップデートされていることに加え、公開されていないため、SEOに取り組むにあたり、Google(アルゴリズム)に対応しようとするのは非常に効率が悪く難しいというのが現状です。
Googleはユーザーを第一に考えているため、ユーザーのニーズに対応することはGoogleに対応することと同義であるとされます。
そのため、ユーザーが必要としている情報をしっかりと理解し、その情報を誰が見ても見やすい形に作り上げることが現代のSEOに必要とされているのです。
ユーザーの検索意図を考える
WEBで集客をするために多くのユーザーにサイトを見てもらおうという考え方は間違ってはいないのですが、どのような種類のサイトでも、ただSEOをすればよいかというと、それに関しては少し立ち止まって考える必要があります。
アクセスを集めたいブログサイトと、商品を買って欲しいECサイトを始めとする商用サイトではゴールが異なるからです。
ユーザーの検索行動ついて
ユーザーの検索行動には、DO(したい)、KNOW(知りたい)、GO(行きたい)の3つに分類されると言われており、それぞれ、トランザクショナルクエリ、インフォメーショナルクエリ、ナビゲーショナルクエリといった用語が用いられることが多くあります。
そこで、各クエリについて少しご紹介したいと思います。
トランザクショナルクエリ(DO)
「音楽をダウンロードする」、「レストランや居酒屋を予約する」、「ゲーム、マンガを通販で購入する」といったような、何かしらの行動を行う際に検索されるキーワードのことを指します。
インフォメーショナルクエリ(KNOW)
「美容院の口コミを調べる」、「イタリアンを食べるときのマナーを調べる」、「SEOについて調べる」など、何らかの知識や解決法を調べることを目的とし、疑問を解決するために検索されるキーワードです。
ナビゲーショナルクエリ(GO)
「Amazonのサイトに行きたい」、「YouTubeのサイトに行きたい」、「Microsoftのサイトに行きたい」など、特定のサイトに行くことを目的に検索されるキーワードを指します。
ナビゲーショナルクエリは、特定のサイトやコンテンツに飛ぶためのブックマークの代わりを果たしています。
以上、3種類のユーザーの検索意図を紹介しましたが、これらが2種類、ないしは3種類すべての意図をもったキーワードも存在するため、設定するキーワードに対し、ユーザーが何を求めてそのキーワードで検索をしているかなどを考え、しっかりと向き合っていく必要があります。
また、ユーザーの検索行動のうち、8割以上をインフォメーショナルクエリが占めているとも言われているため、ユーザーの検索行動の割合なども考えながらSEOに取り組むことも必要です。
SEOは全てのサイトでの集客に適しているわけではない
前述したようなユーザーの検索意図を考慮すると、WEB集客において、SEOは必ずしも適切であるとは限らないことわかります。発信している情報によって、SEOが適切である場合と、そうではない場合に分かれます。
例えば、化粧品の通販を行っている会社が自社の商品を紹介するために自社のECサイト(トランザクショナルクエリ)とは別に、商品を紹介するサイト(インフォメーショナルクエリ)を立ち上げたとします。
しかし、商品を紹介するサイトでSEOを行い多くのユーザーを集めたとしても、それだけでは購入に直結するとは限らないため、SEOが集客に効果があるとは言い難いのです。
また、ユーザーの検索動向のうち、トランザクショナルクエリが占める割合は1割にも満たないため、このクエリに関しては、ただ闇雲にSEOを行えばよいというわけではありません。
ただし、ブログなど、見てもらうことが集客のゴールとする場合は、SEOは効果的であると言えます。対策キーワードを適切に組み込んだコンテンツの数を増やし充実させていくことで、自然なアクセスの増加が期待できます。
また、ブログはほぼインフォメーショナルクエリということもあり、検索動向の割合を考えても、対策キーワードの設定を誤らなければ、他クエリよりもユーザーを集めやすいと言えるでしょう。
まとめ
以上のように、ユーザーの検索意図や動向を抑えつつ、自社のサイトの内容も加味した上でSEOが効果的かどうかを考える必要があります。
ただ、前述したように、SEOが集客に効果的とは言い難い場合もありますが、集客を上げるという視点ではなく、集客の可能性を上げるという認識であれば、SEOは効果があると言えます。
化粧品の通販の例のように、商品を紹介するサイトにSEOを行い効果を出すことができれば、ECサイトへの流入を増やすこともできます。
購入数に直結すると断言はできませんが、ユーザーが購入する可能性を上げることをゴールと考えれば効果的であるということです。
「SEOがWEB集客において本当に効果的かどうか」という問いに対する答えは、「集客」のゴールがどこにあるかによって変わります。ユーザーの検索意図や動向、自社のコンテンツという観点から見極める必要があるのです。