
リスティング広告の中でも多くの方がまず最初におこなう配信方法が、検索キーワードの内容に応じて広告を表示させる「検索連動型広告」です。
初めて検索連動型広告をおこなうweb担当者の中にはどんなキーワードで広告出せばよいのか悩まれる方も多いのではでないでしょうか。
今回は、そんな初めての方向けにリスティング広告におけるキーワード選びの考え方や手順、おすすめの無料ツールなどをご紹介いたします。
目次
キーワードを選ぶ際の考え方
まず、キーワードを選ぶ際の考え方についてですが、リスティング広告のキーワード選びは大きくわけて、以下2つの観点からバランスよくおこなっていくのが良いでしょう。
・検索のボリューム
・検索の内容(ユーザーの意図)
検索のボリュームは、そのキーワードが実際にどれくらいのユーザーに検索されているかという「量」の部分の観点です。当然検索ボリュームの多いキーワードを出稿した方がより多くのユーザーへアプローチすることができるため、サイトにたくさんユーザーを集めることを目的とするのであれば、この観点でのキーワード選びが重要になります。
検索の内容(ユーザーの意図)は、そのキーワードにユーザーのどんな意図が含まれているかという「質」の部分の観点です。ユーザーの意図とは「購買したい」「情報が知りたい」などの”検索をおこなう目的”のことです。
サイト上での購買を増やすことがリスティング広告でのゴールの場合、いくら検索ボリュームの多いキーワードでユーザーを集めても、情報を収集したいユーザーばかりが集まってしまってはすぐには購買に結びつかないため、「購買」を目的とした「質」の高いキーワード選びが重要になります。
この「量」と「質」はどちらがより大事というものではなく、2つのバランスが重要になっていきます。
リスティング広告では、キーワードを5個までに絞らなければいけない、などの現実的な数字の制限はありません(※Googleでは広告グループ単位で20,000キーワード、Yahooでアカウント単位で50,000キーワードまで設定可能)ので、「量」と「質」のどちらも満たせるようにキーワードを多数選んで配信するのが一般的となっております。
キーワード選定方法
キーワード選定方法についてですが、自分のサイトへユーザーを集めるために考えうる限りの検索キーワードを洗い出すことを心掛けると良いでしょう。
というのも、広告運用を続けていくとわかることがなのですが、ユーザーはこちらの想定とは大幅に異なるキーワードで検索をおこない、また検索時にミスをおこない、そして検索の傾向は日々変化していくからです。
ツールからキーワードを探す
ツールの詳細につきましては後半部分で紹介しますが、検索のボリュームや、関連するキーワードの候補を出せる無料のツールがたくさんあります。
軸となるキーワードをもとに関連キーワードを抽出できるので、リスティング広告におけるキーワード選びの際には必須の方法といえるでしょう。
サイトに含まれるキーワードから探す
自社サイト、他社サイトに限らず、サービスに関連したサイト上で使用されているキーワードからヒントを得る方法です。自社サイトで言っている言い回しと他社サイトでの言い回しが異なっていて新たなキーワードを見つけられることがあります。
また、リスティング広告をおこなっている企業のなかには、実際にリスティング広告で検索された検索キーワードに基づきサイト内のキーワードの表現を変更している場合もあるので、そういった意味でもヒントを得ることができます。競合となる他社サイトはチェックが必要です。
実際の配信データから探す
これはリスティング広告を始める前にはできないことですが、リスティング広告を開始するとユーザーが実際に検索をおこなったキーワード(検索クエリ)のデータを取得することができます。
ツールや予測とは異なるリアルな検索データなので、ここかた新たなキーワードを見つけることができます。
配信ボリュームを大幅に変える「キーワードのマッチタイプ」について
リスティング広告のキーワード選びにおいて、その後の成果を大きく左右するといっても過言ではないのが、「キーワードのマッチタイプ」です。
このマッチタイプの指定が異なるだけで、どんな検索語句で広告が表示されるのかという条件が大きく変化し、その結果広告を配信するユーザーの量と質に影響を与えます。
Google,Yahooのリスティング広告において指定可能なキーワードのマッチタイプは以下の4種類になります。
部分一致
部分一致はマッチタイプの中でも基本的な指定方法且つ、最も多くの検索語句に対して広告を表示させることが指定方法です。
入札をおこなっているキーワードの誤字や送り仮名の違い、言葉のゆれ、さらには関連性のある語句までも、広告表示の対象語句として含むマッチタイプです。
広告表示の条件を広く取れるため多くのユーザーの検索に対して広告を表示できるメリットがある一方で、自分の意図とは異なる検索でも広告が表示されてしまい、無駄な露出やクリックを引き起こすデメリットもあります。
(指定方法):デフォルトの指定
(入札キーワード例): 男性用 ワイシャツ
(検索語句の例) :メンズ Yシャツ 通販
絞り込み部分一致
絞り込み部分一致は、部分一致の表示条件を絞った指定方法です。絞り込みの指定をおこなったキーワードが検索語句に含まれる場合(順序は問わない)に広告が表示されます。
検索語句の並び(順序)を問わないことや、表記ずれも対象となるため、ある程度は広告表示の条件を広めにとれますが、類義語は表示の対象とならないため部分一致と比べると無駄な露出やクリックを防ぎやすい特徴があります。
(指定方法):絞り込みをおこなうキーワードの前に「+」の記号を付ける。
(入札キーワード例): +男性用 ワイシャツ
(検索語句の例) :男性用 Yシャツ、ワイシャツ 購入 男性用
(表示されない検索語句):メンズ ワイシャツ、通販 メンズ Yシャツ
フレーズ一致
フレーズ一致は指定したキーワードを含み、且つ同様の語順である場合の検索に対して広告が表示される指定方法です。部分一致や、絞り込み部分一致とは異なり、キーワードを指定して順序も問うため、広告表示の条件は狭くなります。
自分が意図しているユーザーの検索で表示がおこなわなれるため想定を超える無駄なキーワードはないものの、露出を大きく絞り込まれるためCVにつながる新たなキーワードは見つけにくい指定方法になります。
(指定方法):フレーズ指定するキーワードを「” ”」で囲う。
(入札キーワード例): “男性用 ワイシャツ”
(検索語句の例): 男性用 ワイシャツ 格安、男性用のワイシャツを購入
(表示されない検索語句): ワイシャツ 男性用 通販
完全一致
完全一致は指定したキーワードと検索語句が完全に一致した場合(類似パターン含む)に広告が表示される指定方法です。
CVが狙えるキーワードが限られている場合などは、無駄な露出をなくし高いCV率を見込めるものの、キーワード次第では配信量は少なくCVの獲得機会を逃す場合もあるため、データのない運用開始時にこの指定のみで配信するのはあまりおすすめはできません。
(指定方法):指定するキーワードを「[ ]」で囲う。
(入札キーワード例): [男性用 ワイシャツ]
(検索語句の例): 男性用 ワイシャツ、男性用のワイシャツ
無料キーワード選定ツール
キーワードプランナー
https://adwords.google.com/ko/KeywordPlanner/Home
Googleが提供している公式の無料ツールです。無料ではありますが、利用するためにはGoogle Adwordsのアカウントを用意する必要があります。
キーワードやサイトのURLに基づいて、キーワードの候補を提示してくれるだけでなく、過去データに基づく月間の検索ボリュームや推定のクリック単価、競合性などのデータをチェックすることが可能です。
キーワードアドバイスツール
https://promotionalads.business.yahoo.co.jp/Advertiser/Tools/KeywordAdviceTool
Yahooが提供している公式の無料ツールです。こちらも利用するにはYahooプロモーション広告でのアカウントの用意が必要になります。
キーワードプランナーと同様に検索ボリュームや推定クリック単価等のリスティング広告で出稿するキーワードを選ぶ際に参考となるデータを取得することができます。
関連キーワード取得ツール(仮名・β版)
http://www.related-keywords.com/
Googleなどの検索エンジンで検索キーワードを入力した際に、そのキーワードと併せて検索される(過去にされた)キーワードが候補として表示されます。
そういったキーワードをサジェストキーワードというのですが、このツールでは指定したキーワードのサジェストキーワードを一覧で表示してくれます。
ユーザーに検索されやすい有効なキーワードを見つけることができます。
また、このツールでは、Google検索のサジェスト以外にも、Yahoo知恵袋や教えて!Goo内でのそのキーワードを含んだ質問も一覧で出すことが可能です。
goodkeyword
https://goodkeyword.net/
関連キーワード取得ツールと同様に、GoogleやBingの検索におけるサジェストキーワードを一覧で抽出することができます。
weblio類語辞典シソーラス
http://thesaurus.weblio.jp/指定したキーワードの類語や同意語、関連語を一覧で表示できるツールです。検索の傾向やボリュームを加味したものではなく、どちらかというと辞書的な役割でキーワードの言いかえや同じようなニュアンスのキーワードを発掘するのに有効です。
最後に
一言にキーワード選びといっても実際には非常に奥が深いものなのです。どんなキーワードをどんな指定で配信するかによって、検索される回数や、検索される相手が変わってきて、リスティング広告の成果に影響を与えます。
また、事前に想定されるキーワード以外にも実際に配信してみた結果わかる新たなキーワードや、時期によるトレンド、ユーザーの検索傾向も日々変化してくるので、最初に決め打ちしてしますのではなく、常にデータとにらめっこ、あるいはアンテナを張ってあらゆる角度から有効なキーワードを追求していく必要があるのです。
初めのうちは少し難しく感じるかもしれませんが、運用をおこなっていく中で考え方もわかっていきますので、ご紹介したツールを含めいろいろなキーワード選定を試してみてください。